2020年に起こったコロナが落ち着き、2023年には自由に海外に旅行できるようになりました。
かくいう自分も世界一周をするため、2019年末に会社を退職。世界一周を始めましたが、途中で帰国。2023年から世界一周を再開し、2024年7月に無事帰国しました。
これから海外に行きたい、行こうと思っている人も多いでしょう。
海外旅行するにあたり、旅行先やホテル選び、観光スポットの計画、交通の情報収集、荷物の準備などやることがたくさんあります。
しかし、1つ重要なこととして『現地通貨の入手』というのも知っておく必要があります。
『現地通貨の入手』?いや、空港とか街の両替所で両替すればいいでしょ?と思った方、損しています!!
それでは多くの手数料がかかってしまいますよ。
- 海外キャッシングとは何か。仕組みと手数料について
- 海外キャッシングをするときの注意点とオススメの場所
- 海外キャッシングでATMから現金を引き出す方法と返済方法
- 世界のATM手数料がかからない銀行一覧
ということで、この記事では手数料が安く済む『海外キャッシング』という方法について説明し、最後に手数料のかからない海外ATMの情報をお伝えしたいと思います。
具体的には上のように、4部構成にしたいと思います。
本記事では、①の「海外キャッシングとは何か。仕組みと手数料について」で、海外キャッシングとはどういったものなのか、そして、手数料はどのくらいかかるのかという面を見ていきます。
そして、②「海外キャッシングをするときの注意点とオススメの場所」で、海外キャッシングをする際の注意点やどこで、どの時間でというアドバイスを解説します。
③「海外キャッシングでATMから現金を引き出す方法と返済方法」として、実際のATMでどのように取引をし、現地通貨を手に入れるのかという操作方法。そして、返済方法について解説。
④「世界のATM手数料がかからない銀行一覧」として、実際に世界一周中で利用した銀行で、手数料がかかるのか、かからないのかというリストを提供します。
では、さっそく海外キャッシングとは何か、そして手数料についてみていきます。
海外キャッシングと手数料について
海外キャッシングとはATMで現地通貨を引き出す方法。
海外キャッシングというのは、海外の現地通貨をATMで引き出すというものです。
現地通貨を手に入れる方法としてイメージしやすいのは、両替所で両替することでしょう。
がしかし、この方法はレートがよくないことが多く、手数料が多くかかってしまいます。
また、日本円や米ドルなどを事前に用意し、海外に持っていく必要があるため、盗難などのリスクもあります(仮に100万円持っていくとしたら、大変なのは想像つくでしょう)
より手数料が少なく、現金を持ち運ばずに、現地通貨を手に入れる方法が海外キャッシングとなります。
キャッシングは借金です。
海外キャッシングとは、海外の現地通貨をATMで引き出すというものと言いましたが、これは完ぺきな説明ではありません。
そう、キャッシングという文字がかかわってきます。
キャッシング‐サービス【cashing service】 の解説
クレジットカード会社や信販会社が会員に対して行う小口で短期間の消費者金融。クレジットカードを使って銀行の窓口もしくはキャッシュディスペンサーで、あらかじめ決められた限度内で現金を無担保・無保証で貸し出すサービスのこと。
キャッシングサービス(cashing service)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 – goo国語辞書
要は、借金をして現金を引き出すということです。
日本で現金を引き出す際は、基本的に銀行残高がある状態で引き出しますよね。残高以上では引き出せません。
では、海外では当然ながら現地通貨は銀行残高にはありません。そのため、引き出すことができません。
がしかし、キャッシングをすることで引き出すことができます。
具体的には、海外の通貨を引き出す。そうするとカード会社がその時のレートで現地通貨を日本円に換算。
そして、請求された日本円を返済するという流れです。
つまり、キャッシングというのは借金であり、返済する必要があります。もちろん、銀行残高に現地通貨があれば借金ではないのですけどね。
また、キャッシングは借金であるので金利がかかってきます。のちに金利(手数料)については解説します。
海外キャッシングは、借金であるということは理解しておくべきです。
ま、そりゃ何もないところからお金は出てこないので。。。
両替所と海外キャッシングの手数料比較
両替所と海外キャッシングで現地通貨を引く出す際の手数料について比較していきましょう。
条件として、10万円をドルに両替するときにかかる手数料はこちら。※概算
10万円両替したときの手数料 | |
両替所(三菱UFJ銀行) | 1990円 |
海外キャッシング(セディナ) | 148円 |
続いて細かく手数料をみていきます。
0.基準レート(インターバンクレート)について
基準レート(インターバンクレート)というのがあります。
銀行間相場とは、外国為替市場において、金融機関同士で売買を行う際に形成される、為替取引の基準となる相場のことを言います。インターバンク・レートと言います。
https://www.tokaitokyo.co.jp/kantan/term/detail_1056.html
そして、各銀行や両替所、クレジットカードなどはこの基準レートに手数料(スプレッド)を上乗せし、利益を得ています。
この記事では、インターバンクレートのことを基準レートと呼ぶことにします。
ちなみにこのインターバンクレートを、TTMとかTTとかで省略したりします。
例えば、三菱UFJ銀行の米ドルの為替レート。
販売レート(日本円→外貨)と買取レート(外貨→日本円)があります。この数値を使って、基準レートを求めていきます。
- (148.71+142.91)/2=145.81(基準レート)
- 148.71-145.81=145.81-142.91=2.9(スプレッド)
というように2つの数値の真んのものが、基準レートとなります。
また、三菱UFJ銀行は1ドルの両替に対して、売り買い対して2.9円ずつの手数料(スプレッド)を上乗せしているということがわかります。
※スプレッドは本来売り買いのレート差を意味しますが、この記事では一方の差を指すことにします(上の例で言えば、✖5.8、〇2.9)
銀行だけではなく、両替所も同じように行っています。
ただし、基本的には数値の真ん中部分が基準レートでありますが、両替所によっては異なることがあります(上の画像参照)
1.銀行の両替の場合
先ほどの三菱UFJ銀行で考えていきます。
1ドルに対して2.9円の手数料を上乗せしていることが分かっていますので、ここから手数料を求めていきます。
(2.9円/145.81円)×100%≒1.99%
米ドルに両替するときに、約2%の手数料がかかるということです。
つまり、10万円両替したときの手数料は10万円×1.99%=1,990円なります。
参考:大黒屋の両替
2.海外キャッシングの場合(セディナカード)
【引き出した外貨に対する手数料=為替レート×引き出した外貨の額×18%×(借り入れた日数/365日)+各種手数料】
なお、具体的な手数料内容については後程解説します。
10万円×18%×(3日/365日)+0円≒148円
海外キャッシング(セディナカード)の場合、10万円を米ドルに両替する際にかかる手数料は、148円ということになります。
というように、同じ外貨を手に入れる方法でも、大きくかかる手数料が違うことが分かります。
実は通貨によっても手数料率が変わらないのが、海外キャッシング
海外キャッシングのメリットとして、通貨によって手数料率が変わらないということが挙げられます。
後程、海外キャッシングにおける手数料については解説しますが、どのATMを利用しようが利息の計算方法は変わりませんし、手数料も変わりません(セディナカードなら請求なし)
しかしながら、両替所や銀行などはマイナー通貨に対する手数料は大きくなります。
さきほどは米ドルという世界でも一番有名な通貨で、スプレッドは2.9円(と手数料率2%)でした。
では、イギリスポンドでは12.5円、オーストラリアドルはというと約10円となります。
各々の手数料率で見ると、イギリスポンドが約6.7%((12.5/186.63)×100%)オーストラリアドルが約10%でした。
十分メジャーであろう、イギリスやオーストラリアでもこんなに違うのです。
では、スプレッドの小さいタイバーツは手数料が少ないのでしょうか(約0.5)
タイバーツのスプレッドは小さいですが、手数料率でみると11%となります。
スプレッド多い少ないではなく、その通貨の単位(1ドル〇円)にも注目すべきです。
マイナーな通貨の手数率率が高いのは、マイナー(取引の少ない)な通貨を管理するコストが高いからです。
日本円は世界でも上位の通貨ですが、世界を旅している自分からすればマイナーな通貨です。
基本的に、ドルかユーロくらいが、メジャーな通貨といえます。
海外キャッシングにかかる手数料
さて、続いて海外キャッシングにかかわる手数料について解説します。海外キャッシングをする場合、5つの手数料がかかります。
では、詳しく見ていきます。
本記事ではセディナカードを紹介していますが、これは手数料が安いからです。
しかし、もっと手数料が安いカードもあるのですが、自分は保有しておらず確認ができないので紹介できないのです。
もし興味があれば、自身で「アコムACカード」で調べてください。
①ATMオーナー手数料:現地の銀行ATMが請求する手数料
クレジットカードなら無料。デビットカードやプリペイドカードの場合、手数料がかかることがある。
この手数料はATMによって請求されたり、されなかったりします。ですが、クレジットカードのキャッシングであれば、請求表示があったとしても無料です。
処理のミスなどにより、請求される場合があります。その場合は所定の手続きで返金されるようです。現物のレシート必須なので保管しましょう。
②ATM手数料:カード会社が定める手数料
カード会社により異なるが、セディナカードは無料
ご利用金額1万円以下:110円(税込)/件
ご利用金額1万円超 :220円(税込)/件海外キャッシング|クレジットカードはエポスカード海外キャッシングで賢く、おトクに、必要な分だけ現地通貨をその場でご用意!クレジットカードなら入会金・年会費永年無料のエポスカード。最短即日発行!
というように、クレジットカードには、キャッシング利用時手数料がかかるカードもあれば、かからないカードもあります。
≪ATM手数料を請求するカードの例≫
楽天カード、三井住友カード、イオンカード
③利息:キャッシング(借金)による利息
通常、借入金に対して年利18%の利息が請求されます。
この数字はかなーり高いです。1年で借りた額の18%が増えてしまうのですから。
また、この利息は借りた日数によって増えていきます(セディナカードであれば、最短3日分で済みます)
貸付金利が年18%のため、借りた日数に対して1年で割り算が必要となります。
冒頭の手数料の計算を借りた日数を30日として計算してみましょう。
10万円×18%×(30日/365日)+0円≒1,480円
一般的なカードであると利息も通常30日分かかるので、繰り上げ返済できないとそれなりに利息が高くなります。
10万円×18%×(3日/365日)+0円≒148円
セディナカードであれば最短3日で返済可能なので、30日ではなく3日と計算することになり手数料が抑えられます。
新規貸付の条件について|キャッシング|クレジットカードならセディナ[Cedyna]
④返済手数料:繰り上げ返済にかかる費用
キャッシングは借金ですので、クレジット決済と同様返済をする必要があります。
③の利息でも話しましたが、可能な限り返済を早くすることで利息は少なくすることができます。そのために繰り上げ返済をする必要があります。
しかし、繰り上げ返済するのに、電話連絡して対応や日本にあるATMで振り込みなどが選択肢となります。
これでは海外旅行中にそのような作業は大変ですし、コストもかかります。
セディナカードであれば、オンラインの返済が可能ですのでこのコストはかかりません(やり方は別記事)
⑤為替手数料:VISAなどのカードブランドが請求する為替レート
カードブランドの定める為替レート(VISA,Mastar)で、キャッシングの場合はこのレートが適用されます。
イメージとしては、基準レートに手数料を上乗せしたレートで請求されます。残念ながらどれくらい手数料を上乗せしているのかはわかりません(JCBは基準レートを公開していますが、詳しいことは利用していないためわかりかねます)
【VISAなどが請求するレート=基準レート+VISAなどが決める手数料】
使い方は、Fromにキャッシングした外貨、Amountに引き出した金額、Toは日本円(JPY)、Bank Feeは0に設定します。
この場合のMastarの請求レート(2024.1.16)は、1ドル=147.22円となります。
冒頭の海外キャッシングの手数料を計算したときの基準レートは。1ドル=145.81円でした。
Mastarの請求レートのタイミングと三菱UFJ銀行の為替レートはタイミングとして完全一致はしていませんが、このときのMastarが請求する手数料は、0.96%ということになります(常にこの手数料率ではないことは理解ください)
とはいえ、三菱UFJ銀行の手数料の半分程度となります。
どうして①のATMオーナー手数料はかからないのか。
自分は法律の専門家ではありませんが、ATMオーナー手数料がかからない理由についてこのような見解です。
利息制限法では、お金の貸し借りに関して債権者が受け取る元本以外の金銭は、「礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもってするかを問わず、利息とみなす」(同法第3条)と規定しています。
https://www.daylight-law.jp/debt/qa/qa126/
利息制限法は利息に対して制限をかけるものです。2010年6月から施行されています。
これにより企業は利息収入が制限されてしまったわけです。
では、利息以外の名目で取ればいいのでは?ということになってしまうので、この法律はそういうのは名目問わず利息に含みますよー。請求できませんよーってことを意味します。
しかしながら、②のATM手数料は取られているではないか!というわけですが
以下に係わる費用は利息に含まれないものとなります。(利息制限法第6条、出資法第5条の4)
https://www.jaccs.co.jp/service/cardservice/oshiharai/cashing/kaisei/
・CD・ATM利用手数料(1万円迄…110円(うち消費税10円)1万円超…220円(うち消費税20円)を上限とする)
・ローンカード再発行手数料
・公租公課
・貸金業法の規定に基づき交付された書面の再発行等の手数料
のようにATM利用料は利息に含まない(別途請求していい)ということになっているため、請求できているというわけです。
逆に、上記の例外に含まれない①の「ATMオーナー手数料」は利用者に対して請求ができないということが想像できます。
デビットカードやプリペイドカードによるキャッシング(本来は現金引き出し)は、自身の銀行残高やチャージ残高から引き出しているので
キャッシングではない=この法律が適用されない=請求が可能である。
という考え方になるのではないかと推測します。
海外キャッシングをするのに必要なもの
海外キャッシングは、クレジットカードのキャッシング枠を利用し、海外のATMにて現地通貨を引き出す方法です。
そのため、キャッシング枠がないクレジットカードでは利用できません。
逆に言えば、キャッシング枠のあるクレジットカードであれば、海外キャッシングが利用できます。
自分が海外キャッシングに使っているカードについて
自分が海外キャッシングに使っているカードは、セディナカードです。この記事で散々登場しているカードです。
①ATMオーナー手数料 | ②ATM手数料 | ③利息 | ④返済手数料 | ⑤為替手数料 | |
セディナカード | 0円 | 0円 | 最短3日 | 0円 | カードブランドによる |
一般的なカード | 0円 | 110・220円/回 | 30日等 | 返済方法による(電話など) | 同上 |
このカードの特徴として、海外からでもインターネットでキャッシングを返済できること。
そして、最短3日で返済できるため、利息が3日分で済むということです。
この3日という数字は、上の手数料シュミレーションで使ったものです。
もちろん、国や両替所によってはこれよりも良いレートのこともあるのも事実です。自分はこういうのが大好きなので、調べていますし、情報も乗せています。
しかし、それを探すのに時間を使うよりも、渡航先で観光などを楽しむほうが有意義な時間になるのではないでしょうか(自分がお得なレートを見つけてる場合は紹介しています)
以後、自分が海外キャッシングを利用しているセディナカードをベースに話を進めていきます。
なお、ほかのクレジットカードとして、アコムACマスターカードがあります。
ですが、自分は保有していないのでコメントできません(調べると当日返済可能のようですので気になる方は調べてください)
まとめ
- 海外キャッシングとは何か。仕組みと手数料について
- 海外キャッシングをするときの注意点とオススメの場所
- 海外キャッシングでATMから現金を引き出す方法と返済方法
- 世界のATM手数料がかからない銀行一覧
ということで、今回は海外キャッシングとは何か、そして手数料について紹介しました。
まとめれば、海外キャッシングであれば両替をするよりも基本的に手数料が安く済む。
そして、セディナカードはほか一般的なクレジットカードと比べても、手数料が安く済むということです。
次回は海外キャッシングにおいて気を付けること、その対策方法。おススメのキャッシング方法について紹介したいと思います。
読んでくれて、ありがとうございました。
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